クエン酸の疲労回復は嘘!?効果の根拠はない!?

クエン酸

クエン酸といえば、何を思い浮かべるでしょうか?

梅干しやレモン、オレンジなどの柑橘系の果物に多く含まれていて、疲労回復効果があると言われていますよね。

しかし、最近「この疲労回復効果は無いのではないか」と疑われています。

それはどうしてなのでしょうか?

今回は、クエン酸がどうして疲労回復効果があると思われてきたのか、そしてなぜそれが覆されてきたのかを見ていきたいと思います!

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クエン酸に疲労回復効果の根拠はない?

疲れている女性

まずは、なぜクエン酸が疲労回復に良いといわれてきたのかを検証していきます。

ミネラルなど身体への吸収率が低い栄養素と一緒にとると、身体への吸収率が上がる「キレート作用」があります。

〈クエン酸が疲労回復に良いとされた理由〉

(1)疲労物質の乳酸を除去する

激しい運動後

体内が無酸素状態になることで、老廃物ができる「老廃物=乳酸」

乳酸を除去すれば疲労回復につながる

このように、クエン酸は、激しい運動した後に溜まった乳酸を除去するから、筋肉疲労にも効果的だと考えられていました。

(2)体内にあるクエン酸を、摂取すれば代謝があがり、疲労回復が早い

体の中にも、「クエン酸回路(TCA回路)」というエネルギーをつくる代謝経路があります。

体内のクエン酸回路は、以下のような働きをします。

タンパク質・糖質・脂質

分解・吸収されて…
ピルビン酸ができる

それにクエン酸回路が加わり…
「クエン酸回路」
〈クエン酸→イソクエン酸…(詳細略)…オキサロ酢酸〉

エネルギー+二酸化炭素・水を生み出す

このように、クエン酸はエネルギーを生み出す大切な役割を担っています。

そのため、食物でさらにクエン酸を摂取すれば、よりこの流れが活性化する、と考えられてきました。

しかし、国の研究機関「国立健康・栄養研究所」は、クエン酸について、

『俗に、「疲労回復によい」「筋肉や神経の疲労予防によい」などと言われているが、人間での有効性については、信頼できる十分なデータが見当たらない。』

と述べています。

それはどうしてなのでしょうか。
次でご説明します。

クエン酸に疲労回復の効果なし?間違いだった?

元気な女性

先ほど述べた疲労回復に良いとされた理由が覆された理由を順にご説明します。

疲労物質の乳酸を除去する→乳酸≠疲労物質!

そもそも、乳酸は疲労物質の原因ではないようです。

激しい運動をしても無酸素状態にはならない

まず、激しい運動をすると体内が無酸素状態になるとされていましたが、実際は無酸素状態にはなりません。

標高の高いところで運動した場合、酸素が少ない環境なのでより無酸素状態になり、乳酸が多くできそうですよね。

しかし、実際はそうならないので酸素の供給状態は乳酸の生成には関係ありません。

乳酸は老廃物ではなくて、エネルギー源

運動をする際、エネルギーを生み出すときに、糖を利用する途中でできるものが乳酸です。

乳酸には、肉・魚など様々な食材にも入っていて多く摂取されてエネルギー源として使われているんです。

そうして摂取された乳酸は、運動するときに筋肉で使われます。また、そうして得られたエネルギーは疲労回復にもつながります。

つまり、乳酸で疲労回復できるので、クエン酸の有無は関係がないということになります。

次に、体内で生成されるクエン酸回路との関係について検証していきましょう。

疲労回復に良いクエン酸は実は効果なしって本当?

クエン酸の豊富なレモン

体内にあるクエン酸を、摂取すれば代謝があがり、疲労回復が早い

さきほど、体内にあるクエン酸がクエン酸回路によってエネルギーを生み出すとお話ししましたが、実際は違うようです。

糖質やたんぱく質、ビタミンなどは食事で摂取し、体つくりをしているので、不足した場合疲れが抜けにくい、といったことがあります。

しかし、クエン酸はそもそも体内で合成できる物質のため、不足することはないそうです。

そのため、クエン酸をいくら多めに摂取しても、エネルギー供給には関係はないのではないか、と言われているんです。

まとめ

クエン酸の豊富な柑橘類

今回は、「クエン酸の疲労回復効果はないのかも」とお伝えしましたが、実際のところまだまだ研究段階のことも多く、数年後にはまた覆るかもしれません。

実際に、グリコーゲンは、糖質に含まれる重要なエネルギー物質なのですが、クエン酸と一緒に摂ると、より吸収が早くなる、とも考えられています。

そのほか、ビタミン・ミネラルなどもクエン酸が包み込んで吸収させる「キレート作用」もあるとされ、それに対してはまだまだ研究段階なようです。

クエン酸の直接的な疲労回復効果は薄いとしても、摂取して他に良い面はたくさんあるので、積極的に摂ってもいいものかもしれませんね。