マーガリンのトランス脂肪酸の含有量は少ない?多い?

パンとマーガリン

あなたは、普段パンにマーガリンを塗って食べていますか?

マーガリンにはトランス脂肪酸が含まれていて、体に良くないというイメージを持つ方も少なくないのではないでしょうか?

確かに、以前のマーガリンにはトランス脂肪酸は多く含まれていましたが、今ではその10分の1にまで含有量は減っているんです。

今回は、トランス脂肪酸の説明とともに、今はどんなマーガリンに含まれるトランス脂肪酸の含有量についてご紹介します!

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アウト?セーフ?各社マーガリンのトランス脂肪酸含有量

パンとマーガリン2

まず、トランス脂肪酸はどのくらいなら摂っても安全なのでしょうか?

世界保健機関WHOでは、食べ物の流通において、トランス脂肪酸の摂取を2gに制限(総カロリーの1%。1900calだったら2g)しています。

日本でトランス脂肪酸が注目され始めたのは2015年なのですが、それ以前は各社マーガリンにどのくらいトランス脂肪酸が含まれていたのでしょうか?

Business Journalによる調査結果をお借りして、2008年度と2015年度のランキングを見てみましょう。

<2008年時点トランス脂肪酸含有量ワーストランキング>

1位→「雪印Sマーガリン」(トランス脂肪酸含有量16%)
2位→「雪印 ネオマーガリン」(〃14%)
3位→「生協 コープ コーンソフト100バターの風味」(〃13.5%)←(生協の商品は体に良さそうなイメージがあったのは、私だけ⁉)
以上のようになっています。

いまいち%で表示されてもピンと来ないと思うので、グラムで表してみましょう。

食パン1枚当たりに塗るマーガリンの量を10gとすると、ワースト1位のマーガリンを塗ると、トランス脂肪酸量は10g×0.16=1.6gとなり、パンを2枚食べればWHOの基準をあっという間に超えてしまいますね。

次に2015年時点での含有量を見てみます。

<2015年時点トランス脂肪酸含有量ワーストランキング>

1位→「マリンフード ツキマルゴールド 8g」(トランス脂肪酸含有量6.5%)←(給食用の商品がメインのもの。学校で使われているものでも高いんですね…)
2位→「雪印 バター仕立てのマーガリン140g」(〃6%)
3位→「トップバリュ キャノーラソフト 紅花160g」(〃5.3%)
4位→「トップバリュ テーブルソフト べに花」(〃5.3%)
5位→「生協 べに花ハーフ」(〃4.1%)

※ちなみに、この調査で、セブン・ヤオコー・明治は情報開示を拒否したそうです。

この結果を見ると、学校で使われているマーガリンや、スーパーよりもちょっと値が張る生協のマーガリンでも、トランス脂肪酸が高めのものがある、ということがわかりましたね。

海外では、トランス脂肪酸の使用について、表示義務や使用量制限を以前から行っているのに対し、日本では表示義務すらありません。

食品安全委員会によると、日本人の食生活は欧米に比べてもともとトランス脂肪酸を多く食べる習慣は無いから、といった理由だそうです。

確かに欧米では、ハンバーガーやフライドポテト、ケーキやドーナツを日常的に食べるイメージはありますね。

でも、日本でも人によっては、マーガリン以外にも菓子パンやカップラーメン、スナック菓子などトランス脂肪酸が多く含まれているものを日常的に食べている人もいるわけで、決してトランス脂肪酸の摂取は少ないとは言えないですよね。

参考サイト→危険なトランス脂肪酸、含有量ワースト5のマーガリン!雪印、イオン…セブンは開示拒否

学んで安心!マーガリンに含まれるトランス脂肪酸と健康への影響

<トランス脂肪酸はなぜ出来るの?>

それでは、トランス脂肪酸の説明をしましょう。

常温で液体の植物油や魚油から、固体(または半固体)の油脂を作る加工技術の1つに「水素添加」という技術があります。

その水素添加を行うと、トランス脂肪酸が発生するんです。

この水素添加によって作られたマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングにはトランス脂肪酸が含まれることになります。

そしてそれらを使って作られたパン・ケーキ・ドーナツなどの洋菓子や揚げ物にも、トランス脂肪酸が含まれることになってしまいますね。

また、水素添加の他に、植物油や魚油から油を作る時に、臭いを取り除くために高温処理を行うことがあります。
この処理の時にもトランス脂肪酸が出来るんです。

<トランス脂肪酸を摂りすぎるとどんな影響があるの?>

次に、トランス脂肪酸を摂りすぎると体内ではどうなるのか見ていきましょう。

悪玉コレステロールが増え、善玉コレステロールが減る

血液中の中性脂肪が増え、血液がドロドロになり動脈硬化が促進される

心筋梗塞、脳梗塞を起こしやすくなる

代謝に問題が生じ、アレルギー皮膚炎・アレルギー性鼻炎・気管支喘息になる危険性も高まる

肥満になり、高血圧や糖尿病の可能性も高まる

こう見ると、いかにトランス脂肪酸を摂りすぎると健康を害するかがわかりますよね。

海外では以前から規制が行われていましたが、2015年にアメリカでついにトランス脂肪酸を含む食品添加物の使用を全面的に禁止することになりました。

アメリカではマーガリンを 「食べるプラスチック」「人造バター」 と呼び、その影響で日本でも消費者離れが始まりましたね。

今では、日本でもちょっとでも健康意識がある方なら、マーガリンは体に悪いという印象はありますよね。

選んでヘルシー!各社マーガリンのトランス脂肪酸含まない商品

健康

こういった消費者意識を受けて、マーガリン製造業者もマーガリン離れを防ぐために、トランス脂肪酸をほとんど含まないマーガリンを作るようになってきました。

その結果、10年前と比べて今では1割程度までに減っています。

明治では、2018年3月1日から、「コーンソフト」などマーガリン全10種でトランス脂肪酸の不使用にしました。

これまでの「塗りやすさ・美味しさはそのままで、全家庭用マーガリンのトランス脂肪酸量の低減に取り組んでいます」と明言しているので、安心して購入出来ますね。

それ以外に雪印メグミルクも、同日「ネオソフト」などマーガリン全12種で同油脂の使用を中止すると明言しています。

また、Jオイルミルズ「ラーマ」でも10gあたり0.1gまで減らしています。

他にも、小岩井マーガリンや帝国ホテルのマーガリンなどは以前からトランス脂肪酸含有量は少なく、10gあたり0.05g前後となっています。

各サイトを見ると、トランス脂肪酸についての説明や使用を削減する取り組みをそれぞれ掲載していて、各社の意識が高まっていることがわかりますね。

まとめ

パンとマーガリン3

いかがでしたか?

今ではマーガリンも、消費者の意識や各製造業者の取り組みによってトランス脂肪酸含有量はかなり少なくなっていることがわかりました。

今回はトランス脂肪酸に焦点を当てましたが、それだけでなく脂肪分などの摂取も配慮は必要です。

トランス脂肪酸も脂肪分も、過剰に心配する必要はありませんが、配慮するに越したことはないですよね。

ぜひあなたが普段食べているものにも、トランス脂肪酸などの添加物が含まれていないか、チェックしてみてはいかがでしょうか?